Reading Page

 
Mac &
そしてマック貧乏は続くのであった
稲垣 優

 コンピュータを使いだすと、ソフトが増えてくる。初めのうちは、お金がもったいないんで、フリーウエアを使いまくったりしてるんだけど、それじゃあ機能的に不満が出てくる。それに、仕事で使うソフトでフリーウエアってのは、あまりない(スクリーンセイバーは今でもフリーのを使ってるけど)。仕事で使うとなると、やっぱりちゃんと買って、正規ユーザーになってないと、まさかのときのユーザーサポートが受けられないしで困るしね。

 ま、世の中には「ソフトは人からもらうもので、自分では買わない」なんて人もいるらしいけど、私はあまり賛成できないなあ。ソフトを売ってるってことは、作った人がいるわけで、作った人(会社)はそれで生計を立てているんだから、やっぱ、タダでもらちゃうのっていかんよ。フリーウエアは「タダで配っていいよ」という作者のお墨付きだからいいとしてね。

 でもまあ、私も(ここだけの話だけど・笑)、たまには人からソフトが流れてくることもある。「ちょっと面白いのが手に入ったから」と、製品版をコピーさせてくれたりするんだけど、やっぱ、そういうのって、結局使わない。ハードディスクに入ってるだけで、ただのスペースつぶしになっちゃう。反対に、ちょっともらって使ってみたら結構いいじゃんってソフトもあるわけで、そういうときは、ちゃんと買います、私は。ちゃんと使おうと思ったソフトは、以後も使い続ける可能性が高いじゃないですか。となると、やっぱり正規ユーザーであった方がいい。ソフトハウスの人の生活を守るためにも正規ユーザーになるべきだけど、それだけじゃなくて、自分のためにも正規ユーザーになった方がいいよね。だって、バージョンアップがあるんだから。

 コンピュータの世界にあるバージョンアップって制度(?)は、本当にうれしい。一度正規ユーザーになれば、以後、新しいバージョンが出ても格安で買えるんだから。まあ、どこぞのレイアウトソフトのように、バージョンアップ料金が税込みで10万円を超えるなんて法外なものもあるけど、それはごく希だからね。夏にうちへ届いた3DCGソフト(Infini-Dっていいます)のバージョンアップなんか、当初44,000円って言ってたけど、急きょ「最も新しいバージョンからのアップは19,800円になりました」ってアナウンスがあったらしい。直接連絡は来なかったけど、コンピュータ系のニュースになってるし。それだけじゃなくて、先に44,000円払った人には、ちゃんと返金してるっていうんだから偉いよね。どこぞのレイアウトソフト会社にも、見習ってほしいもんだわさ。

 で、このバージョンアップだけど、どうもこのごろ、ちょっといかんのですわ。というのは……。

 ソフトの量が少なかったころは、まだ良かった。新しいバージョンが出ると安く買えるってのは、かなり魅力だった。でもねえ、ソフトが増えると、問題が出てくるのですよ。

 ちょっとお金があったりすると、面白そうなソフトをつい買っちゃう。そんなことしてるうちに、正規ユーザーソフトがどんどん増える。てことは、バージョンアップのお知らせも、どんどん来ることになるってわけ。ソフト会社として、全く新しいソフトを次から次へと開発するわけにもいかず、自ずとバージョンアップは「日銭かせぎ」になるのはよく分かる。実際にソフトの機能も上がるわけだから、文句を言う気はない。でもね、個人的には、持ってるソフトが増えると、バージョンアップが大量になり、それにお金がかかるようになる。これ、結構きついっすよ。

 今、目の前に5本のバージョンアップのお知らせがある。1本は、某レイアウトソフトだから、今のところはバージョンアップする気はない。10万円だから、する気も萎える。で、ほかのものは、だいたいが1万円~2万円程度。Excelのマック版が、20,500円で、一番高く、あとは、全部1万円台。でもこれだけ集まると、お金が……。バージョンアップをする気にならない某レイアウトソフト(ちょっとくどい?笑)を別にしても、総額7万円を超えちゃう。これ、かなりきつい(笑)。

 知り合いで、昔、某会社で机を並べていた某君は「うちはもう、ソフトを整理してるよ」と言ってた。正規ユーザーになっていても、バージョンアップをするかしないかを見定めるようにしているという訳だ。「安く買えるから」とか「またいつか使うから」なんて理由で、どんどんバージョンアップしてたら、そりゃあ、たまらんもんね。

 てことで、私もちょっと整理してみることにした。DeltaGraphというグラフ作成ソフトのバージョンアップも来ていたが、これはもうやめることにした。基本的にはIllustratorのグラフ機能の方が、商業印刷として見た場合キレイに作れるし、自由度も高い。だからこいつのバージョンアップは見送った。ほかにも、Win機に初めから入ってたの(電車の乗り換え時間が分かるやつとか)は、捨てた(笑)。このほか数本のソフトを「バージョンアップしない組」に入れたが、それでも結構残る。で、残った分が、上記の5本。某レイアウトソフトを除いても、7万円強必要ってわけ。どうしよう(笑)。

 まあ、まだ締め切りまでに時間があるし、少しずつやっていこうとは思ってる。それにしても、コンピュータってお金がかかるのね。ハードも2年もたてば古くなっちゃうし……。

 昔「マック貧乏」という言葉がよく使われたけど、この精神(笑)は今でも生きてますねえ。マックを使えば使うほど、貧乏になっていく。すべてマックにつぎ込んでしまうってことで。昔はマックが高かった(PCとは比べもものにならなかった。なんせSEが70万円くらいしたんだから)から、この言葉には深い含蓄があったけど、今ではマックも安くなったからねえ。それでもやっぱり「マック貧乏」は続くのであった。だって、ソフトのバージョンアップが……。

 いつまでたっても、コンピュータ系にお金をつぎ込んでいる自分を客観的に見ることができない自分が、そこにいる。でもまあ、それが楽しいんだから、いいとするか(笑)。

copyright : Masaru Inagaki(1998.10.17)

読みもののページ

ショートストーリーを中心に、しょーもないコラム、Mac系コンピューター関連の思いつきつぶやきなど、さまざまな「読み物」を掲載しています。
20世紀に書いたものもあり、かなり古い内容も含まれますが、以前のまま掲載しています。